ちょうきょうき

聴強器 ~衝撃弾性波による圧縮強度測定装置 ~
国土交通省の「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領(案)」に対応

聴強器Q&A

1国土交通省の「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領(案)・(解説)」に記載されている衝撃弾性波の表面2点法に対応した測定器にはどんなものがありますか ?
表面2点法対応の測定器は当社の聴強器だけです。
「聴強器」は商標登録されています。
2表面2点法の測定には資格が必要ですか ?
平成21年3月31日、国土交通省から地方整備局宛に「微破壊・非破壊試験によるコンクリートの強度測定を用いた品質管理について」と題して新設橋梁コンクリート構造物の強度測定の実施が通知されました。
強度測定の実施に当たっては「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領(案)」および「要領案(解説)」が示されています。 要領案(解説)には、測定者要件として、「公的機関による証明書等を有する技術者」となっています。
要領案(解説)に示されている3種類の試験方法のうち、表面2点法と超音波法については土木研究所で講習会が開催されています。この講習会が公的機関で行われている唯一の講習会です。
詳細は土木研究所のWEBサイトをご覧ください。
土木研究所 WEBサイト
3 表面2点法の1試験とはどのような内容ですか?
強度測定要領(案)では150m³の打設毎に1回の試験が義務付けられていますが、1回の試験につき3測線(たとえば橋脚の前面、側面、裏面)の試験を行います。
表面2点法の場合、1測線は近接する上下2本の測線を加えた3本で構成され、推定強度はそれらの平均値で評価します。
表面2点法の強度測定要領(案) 8ページの写真-5を参照 (土木研究所WEBサイト)
4強度推定にはどのような算定式を使っていますか?

表面2点法は衝撃弾性波の伝播速度(弾性波速度)を指標とした非破壊試験です。したがって、次に示す強度推定式を用いています。
fc = a・c・v2 + b

なお、fcは推定圧縮強度、Vは弾性度速度、ρは密度、a, b, cは式の係数です。

詳細は、土木研究所のWEBサイト 表面2点法の強度測定要領(案) 5ページの圧縮強度推定式の作成方法を参照してください。

5表面2点法で測るコンクリート表面の速度は内部の速度と異なると思いますが。
一般的に、コンクリート表面はモルタルリッチな状態であるため、測定された弾性波速度はモルタルの弾性波速度に依存し内部よりも低い傾向があります。
したがって、表面で測定した速度値を内部の速度値に補正する必要がありますが、その量は速度値に依存します。
詳細は、土木研究所のWEBサイト 表面2点法の強度測定要領(案) 9ページの弾性波速度の補正を参照してください。
6強度推定式を作っていませんが、現場で測定できますか?
強度推定式がなくても弾性波速度は測定できます。
聴強器に標準的に付属している強度推定式を使うと暫定的な推定強度が得られます。
同種のコンクリートを用いた円柱供試体により強度推定式を作成した後に、システムの「後処理-強度推定式変更」を実行することにより、本来の推定強度が算定されます。
7施工の都合によりで材齢6日で脱型して28日強度を推定したいのですが、問題はありますか?
早い材齢で強度推定を行うと、誤差が大きくなる可能性があります。
例えば、マスコンクリートの場合、水和熱による温度上昇が大きいため、早い材齢で強度が発現しますので、その結果から28日強度を推定すると実際より高い強度を推定することになります。このため、材齢14日以降に測定されることをお勧めします。
8施工上の都合で管理材齢(通常28日)では測定ができない場合、材齢を考慮して測定強度の補正を行いますが、管理材齢以降に測定した結果が「合格」であっても、28日強度に補正した結果が「不合格」であったらどうすればいいでしょう。
施工の都合上、管理材齢以前に測定した場合は管理材齢時の強度に補正する必要がありますが、以後に測定した場合は補正する必要はないと思われます。
測定値は真実であると考えられますが、補正計算で想定している材齢と強度発現の関係は、打設条件、養生条件、環境条件などにより、必ずしも実際のものと一致するとは限らないからです。
9棒状体の弾性波速度から半無限体の弾性波速度を求めるときに1.1倍していますが、どのような根拠ですか?
弾性波動論に基づく弾性波速度の理論式を用いた棒状体の弾性波速度に対する半無限体の弾性波速度の比を求める式において、動ポアソン比を0.255と仮定したときの値が1.1になります。
測定する部材が半無限体とみなしうる場合、動ポアソン比を0.255と仮定したときの弾性波動論による理論値です。
10強度推定式作成に用いる円柱供試体の養生条件は標準養生となっていますが、構造体コンクリートは現空養生であるので、円柱供試体も現空養生とすべきではないですか。
コンクリートの弾性波速度と圧縮強度の関係は養生条件(標準養生、封かん養生)にほとんど関係しません。 しかしながら、円柱供試体は、構造体に比べて体積が非常に小さいため、現空養生では、乾燥による影響を受け易く、適切であるとは思われません。
このため、一般的には標準養生で行っています。
11雨の中で測定しても測定値に影響はありませんか?
新設の構造体コンクリートは多少濡れていても測定結果への影響はほとんどありません。
ただし、測定器を濡らさないように、しっかりと雨天対策を行う必要があります。
12聴強器は強度の他にどんな測定ができますか?
多重反射に基づく構造部材の厚さ測定が可能です。
また、この測定法を応用した部材内の空洞や剥離面等の探査・推定が可能です。
詳しくは、聴強器のマニュアルの中の「厚さ測定使用解説書」を参照してください。
13パソコンのバッテリーや振動計の電池は連続でどれくらいの時間使用できますか?
バッテリーの使用時間は環境温度や使用条件などに依存します。
通常、パソコンのバッテリーは連続4時間程度使用できます。
また、振動計の電池は、種類により異なりますが、アルカリ電池で連続12時間程度使用できます。
したがって、長時間に及ぶ測定の場合は、途中で充電するか、予備のバッテリーを用意する必要があります。
14表面2点法の精度はどの程度ですか?
実際の構造物を対象に行った適応実験において、表面2点法による推定強度はコア強度に対してほぼ±15%以内に分布しました(表面2点法の強度測定要領(案) 11ページを参照)。したがって、推定精度はほぼ±15%以内であると考えられます。
なお、他の非破壊試験による強度推定法との比較については、「非破壊・微破壊によるコンクリート構造物の検査・点検マニュアル(編著:土木研究所、非破壊検査協会、発行:大成出版社)のPP.293~295を参照してください。
15低熱セメントを用いたコンクリートの強度推定式を作成する場合、試験材齢は普通ポルトランドセメントと同じように1、2、4、13週で良いでしょうか?
低熱セメントを用いたコンクリートの強度発現は、普通ポルトランドセメントや高炉セメントB種に比べて遅いために、1週は省略して2週から始め、1週の代わりに3週または8週に行い、2、(3)、4、(8)、13週とすることをお勧めします。ただし、呼び強度が高いために、1週の圧縮強度が18N/mm²以上になる場合は、通常の試験材齢で良いと思います。
16表面2点法の特長を教えてください
一般的には次の3つが挙げられます。
[1] 簡単に測定できる
[2] その場で即座に結果が得られる
[3] 一人でも測定できる
17表面2点法で測定する場合、鉄筋が影響を及ぼす範囲はどうなりますか
コンクリート中に測線と平行する鉄筋が12cmよりも近い距離に存在する場合、コンクリートよりも鉄の方が弾性波の伝播速度が速いので、コンクリート表面よりも内部の鉄筋を伝播する経路の方が時間的に短くなるため、見掛けの弾性波速度が実際よりも速くなり、測定値に鉄筋の影響が現れます。鉄筋の影響はコンクリートの弾性波速度、鉄筋径などにより異なるので、12cmは比較的厳しい値として設定しています。 おお、鉄筋迄の距離が12cm以下または不明な場合は、縦筋・横筋に対して45度に測線を設定します。
鉄筋の影響に関する解説
18表面2点法は円形断面の柱や管体に適用できますか
適用できますが、円柱のように円形断面の外側で測定する場合は半径2m以上、円管のように円形断面の内側で測定する場合は半径0.8m以上が望ましいと考えます。
円柱、円管の測定に関する解説